奏でる場所~SecretMelody~
―――バンッ!



俺が迷っていると宙が急に立ち上がった。



「…宙?」



「ハルくん、迷ってるんでしょ?



ホントの事を言うべきかどうかで。」



「え…?あ、まぁ…」



宙の言葉に皆が騒ぎ出す。



「え?岩波さんは陽輝くんの事何か知っているの…?」



「は?どういうことよ。



ちょっと、あんたハルちん様とどういう関係よ!?」



なんやこの女子。



俺、あんたのものじゃねーっつうの。



「「幼馴染。」」



「だけど。」「やけど?」



「え?そーなんですかぁ?じゃ、宙ちゃんが知っててもおかしくないね。」



なんやこの、俺と宙への態度の変わりよう。



「そんなことより、ハルくん。



迷ってるなら言った方がいいと思うよ?」



「…けど――」



「クラス皆、ハルくんの事心から心配してくれてる。」



一人一人の表情を確かめる。



皆、俺と目が合うとニコッと頬えんでくれた。



…皆に迷惑かけたし…かけるやろうしな…



俺はいままでの決心を裏返し、新たな決意を胸に抱いた。



「みんな、俺の話聞いてくれるか?」
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