奏でる場所~SecretMelody~
「…俺、その人の事、中学生の頃からずっと片思いしてる…。」



「まじか、すげーなお前。」



がちで颯のイメージが崩れていく…。



「で、何回も告白しよーとしたんだ…だけど…



俺、恥ずかしくてさー、結局1回も告ってねー。」



颯、女好きで毎日のよーに日替わりデートとかやってそうやのに…。



確かに、恥ずかしいなぁー…



っていいながら俺自分から告った事無いねんけどな。



「そんでモタモタしてたら違う男子と仲良くなっちまってさ。



いそがねーとその男子に盗られそうで。



って俺のもんじゃねーんだけど。」



「…告白しちゃえ!!再挑戦しーや!



まだ振られてないんやろ?



自信持てって。」



「……そーだな。



やっぱした方がいいよな…



さんきゅー陽輝、俺、時間掛かると思うけど頑張ってみる!」



そういうと颯は俺の布団の中にまたもや潜り込んで気持ちよさそうに寝息を立てだした。



って、俺の布団で寝るなや!



俺はクスッと笑って颯をゲシゲシと蹴り布団をかぶった。



「ま、いっか。」



頑張れ、颯。



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俺はまだ知らなかったんだ。



これから沢山の悲劇が待ちわびている事を。



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