奏でる場所~SecretMelody~
「おい。陽輝、米原…起きろ。」



ビクッ!!



なんや?今めっちゃ寒気したで?



今の声は…颯やん…な?



やたら低かったような…。



俺は片眼をゆっくりと開ける。



すると目の前には怖い顔をした颯が立っていた。



こっわ!!



そのうえ、肩に違和感を覚え横を見る。



「「わっ!!」」



どーやら、こいつも俺と同じ事を考え、行動したらしい。



タイミングがばっちりやったし。



「ごめん!いつのまにか寝てて…な?それで…汗」



「いやっ!こっちこそゴメン!!



奏もぐっすり寝てしまっていて…



あ!わざとじゃないぞ!?



わざと陽輝の肩で寝たわけじゃないからな!」



そう。



奏が俺の肩で。



そしてその上で俺が奏の頭の上に…ぐっすり寝ていた。



「あれ?皆いないぞ?」



「は?」



も…もしかして…




「電車が出発いたしまーす。ご注意ください。」



「「まったー!!」」



俺達は間一髪で電車を飛び出たのでした。



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