奏でる場所~SecretMelody~
「あ!奏ー!!」



“ご来場ありがとうございました”と書かれた看板の前に、宙と坂下が立って手を大きく振っている。



「そっちは楽しかったー??って、どーいしたの?2人とも顔赤くない?」



はー…さっきは大変だったな…



あんな事があったと言ったらきっと宙は…



「おーい?奏?ハルくん?」



「「え?!なーんにも、ありませんでしたよ?!」」



「…何の話?」



坂下が後ろでお腹を抱えて笑っている。



もしかして…話噛み合ってない…?



あれ?やっちゃった感じ?



ってか、陽輝まで一緒に先走って…。



奏と陽輝は目が合い、そしてすぐにそらす。



気まずい…



「ゴメーン!!お待たせー!」



…あれ?颯?



まだここに来ていなかったのか?



「あ…あれ?宙達と、別行動してたん?」



そーいえば、そうだな。



てっきり、3人で行動してると思っていた。



「いやー…、女の子達に捕まってさー…」



…遊園地でもか?



こいつ…どんだけだ。



「ってことは、宙チャンと奏チャンもバラバラだったの?」



「あ、ああ。奏は陽輝と行動してたぞ?」



奏がそー言った瞬間、立花の表情が変わった。



「へー。」



「…どーかしたか?」



「ん?いや、なんにも。じゃ、帰りますかー♪」



「おーー!」



――――――――――――――――――
< 89 / 233 >

この作品をシェア

pagetop