奏でる場所~SecretMelody~
「カッコいいですね…。



俺なんて、すっごくカッコ悪くて。



自分ひとりじゃ何も出来ない、ただの弱虫です。」



…ひとりじゃ、今ごろ死んでるやろーな。



「いいじゃないですか、それで。



仲間が、家族が支えてくれているんですから。



一人じゃ何も出来ないのじゃなくて、みなさんに守られて生きているんです。



それって、幸せですね!」



…すごいな。



今までの俺は“一人じゃ何も出来ない弱虫”だと思っていたものをたったの2秒で“誰かに支えられて生きてきた、幸せ者”になった。



考え方が大人やな。



やっぱ、カッコいいわ。



「あ!!」



「え?」



「12時過ぎてる!!ごめんなさい、長話しちゃって…



でも、話を聞いてくださり、ありがとうございました。



なんか、楽しかったです!」



え、もー12時過ぎてるん?!



時間たつの早いな…。



「いえっ!こちらこそ!



そんな大事な話を俺なんかに話してくれて、嬉しかった。



ありがとうございました!」



俺は見えないけど、深く頭を下げた。



自分が少し、好きになったからな。



「あの、また暇であれば、“音楽室”に来てくださいね!



ほぼ毎日いますから!!」



「はい!!でわ、また。」



そう言って俺は“音楽室”の扉を開けた。


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