奏でる場所~SecretMelody~
“教室の席と同じように座って待っている事”



と書かれた黒板の指示通り、クラス全員が席に座る。




そして、チャイムが鳴ると同時に、音楽室の扉がガラッと開いた。




「はい、皆さん。音楽を担当する山川です。これから、よろしくお願いしますね。」




そう言って教卓の前に立ったのは、40代後半ぐらいの女の先生。




なーんゃ。




予想と全然ちゃうやん。




ピアノの女の人の候補が1人減ったゎ。




「さて、さっそくですが、この学校ゎ珍しく合唱コンクールが5月の後半にあります。



そこで、指揮者と演奏者が必要となるんですが…。



誰か、やりたい人いませんか?」




5月の後半って…早いなぁ…




芸術の秋って事で、秋にやるのが普通ゃと思ってたわ。




んで、指揮者と演奏者ねー。




俺、ピアノ弾いた事ゎ無いねんなぁ…




指揮者ゎきっと、あいつが…。




「はいはーい!俺、指揮者やりたいっ!!」




そう言って、颯が名乗りだした。




やっぱりな。




絶対立候補すると思った。




「皆さーん、立花君でいいですか?



他に立候補者がいないならば、立花君で決定ですよ。



いないですか?」




しーん…




「よしゃっ!!俺、頑張るから皆ついて来いよ!!」




またもゃ、女子の黄色い声。




「次に、演奏者!この中でピアノ弾ける人は?」




何か、このクラス、はじけてる人達の集まりやからなあ。




誰かおるんか?




すると、宙の手がぴしっと綺麗に上がった。



え!?宙、弾けるん!?




「奏がいいと思いますっ!!」




奏!?




「え!?奏!?ちょ、宙っ!?」




「米原さんはピアノ弾けるのかしら?」




「あ…まぁ…。」




まじで!??




奏弾けるん?




「この楽譜何だけど…。後で、皆歌う練習するから、その間に練習出来る?」




「あ、はい。」




「じゃあ、指揮者は立花君、演奏者は米原さんで皆さんいいですね?」




「「「はーい!」」」




…本間に、奏ゎ弾けるんやろうか…。
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