きみに会える場所~空の上ホテル~
従業員が寝泊りする部屋は全部一階の「従業員以外立ち入り禁止」の扉の向こうにあった。
私は今まで奈美ばあちゃんが使っていたという部屋を与えられた。お風呂とトイレが一緒になったバスルームと、ベッドと小さなテーブル。前に林原ゆり子さんが泊まっていた部屋と作りは同じだけど、ここの方が家具が粗末だ。
「まあ、従業員用だから。それにここに帰ってくるのって、寝る時だけだしね」
「食事はどうするの?」
「みんなで一緒に調理室の隣の部屋で食べるのよ。家族みたいにね」
レイやカナタさんや、サキさんと一緒・・・・・・。キャンプみたいで楽しいかも。
「そうそう、食事は当番制だからね。いずれは美緒ちゃんにも作ってもらうわよ」
「ええっ!」
そんなぁ、やったことないのに。
「はい、これ。時間のある時に読んで勉強してね♪」
サキさんが渡してくれたのは、「基本の料理」という一冊の料理本だった。随分年季が入っている。
「私も最初はこれを見ながら作ったの。参考になると思うわ」
「あ、ありがとう」
そうだよね、とりあえずやってみないと。えーと、まずは包丁の握り方からかな。それともお米の炊き方かな。
「わかんないことがあったら、レイに聞くといいわ。今はレイがコックなんだから」
サキさんが軽ーく言った。本を落としそうになった。
私は今まで奈美ばあちゃんが使っていたという部屋を与えられた。お風呂とトイレが一緒になったバスルームと、ベッドと小さなテーブル。前に林原ゆり子さんが泊まっていた部屋と作りは同じだけど、ここの方が家具が粗末だ。
「まあ、従業員用だから。それにここに帰ってくるのって、寝る時だけだしね」
「食事はどうするの?」
「みんなで一緒に調理室の隣の部屋で食べるのよ。家族みたいにね」
レイやカナタさんや、サキさんと一緒・・・・・・。キャンプみたいで楽しいかも。
「そうそう、食事は当番制だからね。いずれは美緒ちゃんにも作ってもらうわよ」
「ええっ!」
そんなぁ、やったことないのに。
「はい、これ。時間のある時に読んで勉強してね♪」
サキさんが渡してくれたのは、「基本の料理」という一冊の料理本だった。随分年季が入っている。
「私も最初はこれを見ながら作ったの。参考になると思うわ」
「あ、ありがとう」
そうだよね、とりあえずやってみないと。えーと、まずは包丁の握り方からかな。それともお米の炊き方かな。
「わかんないことがあったら、レイに聞くといいわ。今はレイがコックなんだから」
サキさんが軽ーく言った。本を落としそうになった。