きみに会える場所~空の上ホテル~
その日が来た
私はもう一度水城さんのファイルをすみずみまでチェックすると、ページを閉じた。

検索で引っかかったもう一つのファイルも念のため最後まで読んだ。ためになる情報をわんさか拾って、頭がいっぱいいっぱいになった。

だいぶ遅くなってしまった。そろそろパソコンを終了して部屋に戻らないと。

そう思っていた時、デスクトップにヘルプマンリストというファイルがあるのを見つけてしまった。

これって、「空の上ホテルにヘルプに来てくれそうな人」のリストかな。

・・・・・・ちょっと見てみたいな。

私は首を振った。

いやいや、もう十分勝手にカナタさん専用のパソコンを盗み見たんだし、当初の目的は果たしたんだし、やめとこう。

・・・・・・でも、この機会を逃したら、絶対見られないよね?

大きく深呼吸すると、私はすばやくファイルを開いた。ほら、「毒を食らわば皿まで」って言うし。

「いったん毒を食べてしまえば、それを盛った皿までなめても効き目は同じであるように、一度悪いことをしたら、もっともっと悪いことをするようになる」って、昔の人はうまいことを言うなあ。

なんて考えながら、私はヘルプマンリストに目を通した。

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