密の味~甘い脅迫~
「今日もほったらかして来たのかよ?」
つぶれていたはずの玲がいつの間にか体を起こし、私を見ていた。
「……起きてたの?」
「彼氏、怒ってんじゃね?」
どこか嬉しげな言葉に内心ムッとする。
「そう思うなら自重して」
少し冷たく言い放つと、玲の表情があからさまに険しくなった。
「自分は男と会ってるクセに、俺はダメなのかよ」
「今は大事な時期なの。わかるでしょ?」
「だったら男と会ってねぇで、見張ってれば?」
人を食ったような言い回しが、さらに神経を逆撫でする。
だから私もつい。