密の味~甘い脅迫~
「そういうのよしなさい。子供じゃないんだから」
玲の嫌がる言い方で答える。
「うるせぇよ」
ふてくされた玲はまた横になって、私に背を向けた。
訪れる沈黙。
思わずため息を漏らした時。
「……お前が悪いんだろ」
謂れのない非難を受けた。
「お前さ。俺が今まで誰の為に、ここまでやってきたと思う?」
「誰って……」
「お前だよ!!」
荒々しく言葉を放ち、再び起き上がって、私と向き合う玲。
見据える瞳と昂ぶる声には、私への感情が反映されていた。