愛、SOUL

ろくに喋ったことも

ない相手なのに。



「噂、信じちゃってた。
 …ッごめんなさい!」





顔を上げられない。


江里奈を見れない。





「…いいよ。分かって
 くれて嬉しい。
 ありがとう。」






ガシャンッ――― …

江里奈は去った。





お礼なんて言われちゃ

いけない。





サイテー、サイテー。




「…っあたしッ、
 さいっっってー…!」




見上げた空があまりに

青くて、こんなあたしを

軽蔑しているようだった。





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