愛、SOUL
あたしだって、直人が
不安になるような
事したくない。
でも、バンドが
ひとつの夢だったし、
そんな変な関係じゃない。
あそこにいたい。
自分が上達出来て、
なにより頼もしい
仲間がいるから。
直人の声の低さから、
不安が伝わってくる。
けど、辞めろなんて
言わない直人。
あたしがあの場を
必要としてると
分かっているからでしょ?
だったらあたしは、
直人があたしの不安を
消してくれたように
直人の不安を消すよ。
直人も考え事を
していたようで、
黙ったまま到着した。
「じゃ。」
片手を挙げ、
帰ろうとする直人。