祈りの月
第5章~想い
レイアが泳ぎ去っていくのを見届けてから、ドゥリーがカイを振り返った。
顔が少しにやけている。
「なんだよ、カイ、イルカの知り合いがいるなんて聞いてないぞ」
「俺も、昨日初めて会ったんだ。その時は・・・・・・人間の女の子の姿をしてたよ」
「は? どういうことだ?」
予想外のカイの答えに、ドゥリーが目を丸くした。
「――ティルアの月に祈ったらしい。夜だけ人の姿にしてもらえるって」
説明を求められ、昨夜のレイアの言葉を思い出しながら、カイは言った。
自分に会いに来た・・・・・・あたりの話はとりあえず心にしまっておく。
「――本当かよ・・・・・・月の話は知ってるけど・・・・・・」
信じる信じないは別として、ティルアの月が、願いを叶えてくれるというのは、惑星ティルシアにいる誰でも知っている言い伝えだ。
ドゥリーは意外と驚いた様子もなく言った後、少し真剣な面持ちで眉をひそめた。
「だけど、月に祈るには、何か見返りが必要だって聞いたぞ?」
「――見返り?」
それは初耳だった。
「祈ればいいんじゃなかったか?」
「俺もそう思ってたんだけど、それが、どうも違うらしいんだ」
顔が少しにやけている。
「なんだよ、カイ、イルカの知り合いがいるなんて聞いてないぞ」
「俺も、昨日初めて会ったんだ。その時は・・・・・・人間の女の子の姿をしてたよ」
「は? どういうことだ?」
予想外のカイの答えに、ドゥリーが目を丸くした。
「――ティルアの月に祈ったらしい。夜だけ人の姿にしてもらえるって」
説明を求められ、昨夜のレイアの言葉を思い出しながら、カイは言った。
自分に会いに来た・・・・・・あたりの話はとりあえず心にしまっておく。
「――本当かよ・・・・・・月の話は知ってるけど・・・・・・」
信じる信じないは別として、ティルアの月が、願いを叶えてくれるというのは、惑星ティルシアにいる誰でも知っている言い伝えだ。
ドゥリーは意外と驚いた様子もなく言った後、少し真剣な面持ちで眉をひそめた。
「だけど、月に祈るには、何か見返りが必要だって聞いたぞ?」
「――見返り?」
それは初耳だった。
「祈ればいいんじゃなかったか?」
「俺もそう思ってたんだけど、それが、どうも違うらしいんだ」