イジワルな悪魔
すると、冬夜があたしの耳元に顔を寄せてきた。


「…ななな、何?!」


「そんな顔、他の男に見せんじゃねーぞ?」

何それ…。そんな顔って、あたしなんか変な顔した?


「どーいう事?」


あたしは意味が分からなくて、冬夜に聞き返した。


「フッ…鈍感」


冬夜が馬鹿にしたような顔で言った。


「〜っ!鈍感じゃないし!!」


「ったく、すぐにムキになんなって。せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?」


「…可愛くなんか無いもん。」


どうせそーやって他の女の子にも同じ事言ってるんでしょ。


そう思ったら何だか悔しくて、あたしは口を尖らせて俯いた。



< 59 / 71 >

この作品をシェア

pagetop