アンブレラ☂

でも、私と彼の別れの時は近づいていた…。



私達の目の前を通りすぎていく少女。


赤い傘、綺麗な着物を着て

隣に黒猫を連れていた。


誰かにとてもよく似てる…


私はそう思いながら

その少女の目を見てしまった…。


片目の色が違う……


青い髪に似合う左の青い瞳…


その隣に見えた真っ赤な瞳が

私の方を向いて涙を流していた。


目と目があった瞬間、時が止まったのかとさえ

思うほど、時がゆっくりと進んだように感じた。
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