アンブレラ☂

その西城グループは今や各企業の

トップを走る存在である。



その下で働く部下の

娘が秋と皐月であるという訳だ。



そのため、私はこの学院内でも


誰よりも特別な扱いであった。



「夕陽様のお通りよ。」



「皆様、道を開けましょう。」



赤いカーペットの続く長い廊下を歩く。


皆が私を見て微笑み、頭を下げる。



そう、ここではお金も権力も私の物…。

手に入らないものなんてないはずだった。



でも、気づいてしまったんだ。


手に入らない物がすぐそこにある事に…。
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