アンブレラ☂
「秋、皐月、私に続きなさい。行くわよ。」
「「はいっ!!夕陽様。」」
私は美術室へ向かって足を早めた。
たどり着いた大きなドアをガラッと
開けて奥の窓の方を見た。
「やっぱり来てたのね。」
私は表情を1つも変えずに窓際に
座って絵を描いている彼女を見つめた。
「ゆ…夕陽様っ!!ごめんなさい。
今すぐ場所を開けますので…。」
そう言って絵の具のパレットを
片付ける彼女は《樫野春涅(カシノ ハルネ)》。