アンブレラ☂
全て美しく凛々しくパーフェクトで
なくてはならない私に足らないのは芸術。
悔しいけれど《樫野 春涅》には勝てない。
私は廊下の途中で立ち止まり、
黙り混んだままうつむいた。
そんな私を見て変だと思った秋と
皐月が声をかけてきた。
「だ…大丈夫ですか?夕陽様。」
私の肩にそっと寄り添う彼女達を私は
軽く見て突き放した。
「………悪いんだけど、
秋と皐月、先に教室に戻ってて…。」
それだけ言って。