アンブレラ☂

全て美しく凛々しくパーフェクトで


なくてはならない私に足らないのは芸術。



悔しいけれど《樫野 春涅》には勝てない。



私は廊下の途中で立ち止まり、


黙り混んだままうつむいた。



そんな私を見て変だと思った秋と

皐月が声をかけてきた。



「だ…大丈夫ですか?夕陽様。」



私の肩にそっと寄り添う彼女達を私は


軽く見て突き放した。



「………悪いんだけど、
秋と皐月、先に教室に戻ってて…。」



それだけ言って。
< 43 / 116 >

この作品をシェア

pagetop