アンブレラ☂
私がそう言うと雨森さんは
私に赤い傘を開いて差し出た。
「これを貴女が手にした瞬間、
絵は完成するから安心して?」
と微笑みかけてきた雨森さんが
何を考えているのか分からず、
取り合えず、赤い傘を受け取った。
その瞬間、私の体は動かなくなった。
そして回りには見たことのある景色…。
私が今、まさに描いていた絵の景色だ。
そして空間一杯にこう言う声が聞こえた。
「ほらね。貴女が絵の中に入った
お陰で絵が完成したわね。夕陽さん?」