アンブレラ☂

私が見たのはあまりにも薄暗く、


さっきまで賑わっていたはずなのに


静まり返る誰も居ない教室だった。



ただ、そこに一人佇む少年は

私を見て泣いた…。


「紫風…。皆…皆…すぅっ…て消えてった。
他のクラスの奴らも誰も…居ない。」



もちろん、そう私に言い放った少年が

誰だか何て言わなくても分かるだろう。


だって…彼は…


「芽流斗っ…!!」


双子の姉を一番に失った被害者だから…。

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