アンブレラ☂
「そっ…そんな…」
私は傘立ての前で小さくかがんだ。
「芽流斗…どこいっちゃったの…」
私は目の前が真っ暗になった。
もしかして、今日芽生紅が学校に
来てなかったのは…
彼女がこの世界から消されていたから?
「私、人気者なんだよ?可愛くって頭もよくって、足も長くて、誰からも愛される人気者なんだ…なのにっ!!」
だって…こんなの…
誰もいなければ人気者でも何でもない…
「いやぁぁぁぁあっ!!」
みんな戻ってきてよ…
お願いよ…戻ってきてよっ…
一人虚しげな声が誰もいないこの町に
寂しそうに響き渡った。