籠の中
 月日が流星の如く流れる度、『結婚しました』という報告が相次いだ。嫌がらせか、僕がそう思っているだけなのか、だいたいが司法試験、一週間前だったり前日だった。その度に断りの連絡をした。そんなことが続けば、もちろん誰からの連絡もこなくなっていた。あいつは駄目だ、あいつは駄目だ、そんなことを言われている気がした。
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