籠の中
 僕は目を開いた。全身に嫌な汗を掻いていた。今のはなんだったのだ。ただ目を瞑っただけなのに妙にリアリティがあった。この『レクイエム』がそうさせるのか。そういう力があるのか。僕は非現実と現実の区別がつかなくなった。彼女は目を開けるそぶりをみせなかったが、今さっきみた骨のことがあり彼女を揺すった。徐々に彼女の瞼が開いた。少し機嫌を損ねてるようだ。
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