籠の中
「どうしたの?世界観を邪魔するのは好ましいとはいえないわ」
 彼女は、やはり怒っていた。
「いや、ごめん。骨が」
「骨?」
 これには彼女も食いついた。
 事の次第を彼女に話した。『レクイエム 第三曲 怒りの日 』の演奏に突入していた。
「それは不思議ね。そして怖い。妹さんに何かあったのかしら。妹さんは今何処に?」
 彼女は心配そうな視線を僕にぶつけた。
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