籠の中
 僕も気になっていたことだが、先程、妹の部屋を覗いてみたら既に寝ていた。
「部屋で寝てるよ」
 僕は妹の部屋がる方を向いた。彼女は少し安堵しているようだった。
「それはなにかの暗示かもしれないわね」
「暗示?」
 僕は立ち上がり冷蔵庫から缶ビールを二本取出し、一本を彼女に渡した。お互い一口ずつ飲み、彼女は言った。
「そう。妹さんではなく、あなたの何かに対してじゃないかしら。それかあなたに関係のある何か」
 彼女は不適な笑みを漏らした。
 僕はなんだか怖くなった。
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