籠の中
「君は、なかなかユーモアがあるね。僕がせっかちなだけかもしれないが、君の全てを知りたいね」
 煙草の煙を吐き出し、見上げた天井は紫煙でくすんでいた。
「いいわ。あなたが高津さんじゃないってことは知っていたわ」
 彼女は不適な笑みをこぼした。
< 136 / 203 >

この作品をシェア

pagetop