籠の中
 趣味が特筆して合っていたのかもしれない。僕は音楽が好きだった。ビートルズ、ストーンズ、ピストルズ、オアシスなど、彼女もそれらが好きだった。女性にしては珍しいと思った。そしてビートルズの話で盛り上がることもしばしばだった。性行為が終わった後、彼女に腕枕をし、
「ビートルズのメンバーで誰が好き?」
 彼女は僕のお腹をさすりながら訊いた。
「難しいね。ポールかな。君は?」
 僕は彼女の小振りな胸に触れた。
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