籠の中
 時間は刻々と過ぎて行った。その時間感覚を最初は認識していたが、よくわからなくなっていた。窓から射し込む光でかろうじて昼、光がなくなれば夜、それだけはかろうじてわかった。曜日まではわからなく、もちろん今が何月なのかを認識することをやめた。
 妹が時折、食事を運んで来てくれた。
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