籠の中
「私はリンゴ・スターかな」
 僕は驚いた。彼女ならジョン・レノンと答えそうだったからだ。なぜか、というと困る。少なからず異才を放ってるし、リードボーカルだし、言動も注目されたし、挙げればきりがない。
「リンゴ・スター?その人物を選ぶとは予期してなかった」
 彼女は僕の耳元でささやいた。
「予期してなかった?」
 彼女が訊き返した。
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