籠の中
 僕は泣き腫らした顔を上げた。そこには妹が立っていた。彼女もなぜか泣いていた。そっと僕のところに歩み寄り。
「二人だけだね」
 その手に力が込められていた。痛い、というより温かい。そんな手の感触だった。
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