籠の中
 僕はベッドに座り、彼女はの左隣に腰を下ろした。
 グラスを持ちながら、
「今日一日で色々な事があなたに起こったんじゃない?」
 彼女は言った。
「たしかに。イタズラ電話が朝から掛かってきて、そのしこりを残したまま会社に出勤したら倒産していて無職になり、希の妹が現れた。劇的な展開といえば劇的な展開だね」
「それとあと一つ」
「なに?」
 僕はわからなかったので訊いた。
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