籠の中
「私とセックスをする」
 彼女はビールを飲み干し空いたグラスをテーブルに置き、僕に腕を回しキスをした。ほのかにアルコールの匂いが漂った。それは初めてにしては大胆なキスだった。熱を持った舌がねっとりと侵入してきた。絡ませ、吸い、絡ませた。
「興奮する。はじめてにしては大胆だ」
 その言葉に彼女は笑った。
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