籠の中
手紙の文字は芯の強さが表れていた。その文字からは彼女の意志を感じられた。彼女もまた新たな道を歩みだしたことに、僕は安堵と共に彼女の肉体の感触を思い出した。綺麗に手紙を折りたたみ、もう一度封筒にしまい、僕は机の抽き出しにしまった。そっと、やさしく、子猫を撫でるかのように。
メニュー