籠の中
 「ほら、高津君だ。今度お茶でもしようよ。じゃあ、ねえ」
 声のトーンが上がったと思ったら、それだけ言い女性の電話は蜘蛛の巣を引き千切るかのように切れた。そして妹が起きてテーブルに座るのが見えた。
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