籠の中
「おはよう。朝食は出来てるから」
「うん。また、ベーコンエッグと味噌汁?」
 感情のない声でいった。聞いてる身としては、それでもいいけど、とも捉えられる。
「ああ、気に入ったものは何度でも作りたくなるんだ」
「ふーん。音楽もそうだよね」
「音楽?」僕は妹を見た。
「気に入った曲って何度も聴きたくなるじゃない。違う?」
「違わない。その通りだ」
 朝から兄妹感でのドライで淡々とした会話が終わった。
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