籠の中
「わかったわ。じゃあ、今すぐ取ってくるわ。あなたはせっかちね、夜は」
僕は笑みをこぼした。彼女の最後の言い方が面白かったからだ。
『夜は』二人にだけわかる意志の疎通。
彼女は立ち上がり、静かな足音を立て、音源を取りに向った。そこには彼女の残り香と線香の匂いだけが残った。それと僕という存在と、妹という存在。
僕は笑みをこぼした。彼女の最後の言い方が面白かったからだ。
『夜は』二人にだけわかる意志の疎通。
彼女は立ち上がり、静かな足音を立て、音源を取りに向った。そこには彼女の残り香と線香の匂いだけが残った。それと僕という存在と、妹という存在。