Wilde
彼らが漂わせるオーラは、
普通の人間のオーラとはだいぶ違っていた。
あれは、普通の人間が放つオーラじゃない。確実に。
なにか…黒く、鋭く、冷たいオーラ。
でもどこかに炎のような雰囲気も混ざってる。
…なんなの…この人たちは…
このオーラのせいで、店員も近づきづらくなってしまった。
こうなったら…あたしが…
あたしは彼らに近づいて、無理に作って引きつった営業スマイルを向けた。
『よ、四名様で
よ、よろしいですか…?』
声が震えた。心臓がバクバクいってる。
すると、四人の中で先頭を歩いている男…1番恐ろしいオーラを放っている男と目が合った。
つり上がったアーモンド型の目の奥で光る黒い瞳…
この目に睨まれたら、きっと震え上がるに違いない…
獲物を見つめる肉食獣のような黒い瞳はあたしまでもが吸い込まれそうなくらい深い。
両サイドを刈り上げた真っ黒な髪。
耳元ではシルバーのピアスが光ってる。
ゴールドのラインが入った黒いジャージのチャックを全部閉めて着ているところがなんとなくかっこいい。
その男は、案内しようとしたあたしを見るなり、無視して喫煙席のほうへ歩いて行ってしまった。
…なんなの?
そして、
その後ろに連れとみられる三人も着いていった。
「四名きつえんせ〜〜〜き!」
そう叫んだのは、
三人のうちの一人の男。