誰より君を・・・・・・
ウダウダと進むのを拒む俺の気持ちなんてお構いなしに、勝手に周りは進んでいった。



「太一くん。ずっと好きでした。よかったら付き合ってください」



制服が白く色合いを変えた頃だった。



これで切り替えよう。そう思い受けることにした。



・・・・・・でも、そうはさせてはくれなかった。




駅に向かう道を莉奈は一人で歩いていた。



「莉奈!」



振り向いた莉奈は俺にはわかった。泣いた顔だった。



「あれ?太一~彼女?」


「あっ、うん。薫。友達の莉奈」


莉奈は友達って言葉、なんとも思っていないんだろうな・・・・・・。


「お邪魔だね。じゃ~またね」


莉奈はそう言って逆の方向へ歩いて行った。


なんでこのタイミングなんだろう。


切り替えようとしているのに。


あの泣いた顔を放っておけってのか。


莉奈と別れた後薫との話が全く頭の中に入らず、ずっと自分に問いただしていた。



「あっ!わっり~忘れ物思い出した。ごめん先帰ってて。本当ごめん」


そう言って俺は駆け出していた。






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