誰より君を・・・・・・
「莉奈!」


「太一?!彼女は?」


「忘れ物したから先帰ってろって」


夕暮れの商店街。よく一緒に帰った。男子にいじめられて泣きじゃくる莉奈の手を引いて。


「俺が付いてるから泣くな」


「え?」


あの時もそう言って慰めた。あの時のように手を引いて、いつも立ち寄っていた公園までは何も聞かずに歩いた。



「泣いたのバレてたんだ。さすがだね太一。・・・・・・私重いんだって」



無理に笑って話そうとする莉奈に腹が立って・・・・・・抱きしめていた。


「太一?!彼女に怒られるよ」


「莉奈だってあいつに怒られるだろ。でも俺が間違ってた。誰にも渡したくない。俺がずっと守るから」






きっと誰より君を思っているのは今日も明日も俺だから。




「莉奈を泣かすやつは俺が許さない」






やっと伝えられたよ。



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