熱くなる身体

「浮気？アイツが？」


彼は信じられないというような顔で目を見開いているけれど、私だって信じたくない。

だけどこの目で見てしまったんだ。

彼氏が女の子とキスをしているところを。

その場面がまた脳内によみがえってきて、さらに涙が溢れてくる。


「泣くなよ」


眉を寄せて絞り出すように声を出した彼は、私の目許に手を伸ばして優しく涙を拭ってくれる。

ほんとはここにだけは来ちゃいけないってわかってた。

彼を苦しめるだけだってわかってた。

でも今の私にはここしか頼る場所がなくて。