精霊たちの王冠《王国編》
帝国の侵攻に、ナーベルとマリはすぐさま白旗を上げ帝国の一部となる。
しかし、ティアニス国は帝国に組する事を良しとせず、果敢にも兵を上げ戦ったが、帝国の前には小国の軍事力など雀の涙ほどの意味しか成さず、呆気なく敗戦した。
王都は帝国兵により踏み荒らされ、王城を制圧すると、王と王妃はその場で斬首。
王太子は難を逃れたが、その後消息不明に。
そして、帝国の魔の手は、王都から少し離れた場所に領地を持ち暮らしていた王弟にまで及んだ。
王弟は領地の兵を集め迎え撃つが、領地内の民を逃す時間稼ぎがやっとで、城に残っていた妻と共に帝国兵に捕虜として捕まった。
一人娘の姫だけは、間一髪信頼の置ける臣下とその家族と共に隠し通路から逃げ延びる事に成功。
幾度も帝国兵の追っ手をくぐり抜け、領地から離れた、各地から戦火を逃げ延びた人達で作ったラコウム村に辿り着いた。
そして一行はラコウム村で束の間の安息を手に入れた。