ポジティブ大魔神の来襲
私はお願いしてみた。
「あのー・・・頭痛いんで、大声やめてもらえませんか」
ほそ~い、かぼそ~い声を出してみた。不調なんです!という意思表示だ。
大魔神は更に大音量で笑いながら答えた。
「頭が痛いっ!!!そいつは素晴らしい!!生きている証拠だね!おめでとう!」
ひび割れるかと思った。あまりの音量のでかさに、頭痛で死ねるなとか考えた。
私の繊細な気遣いはこのオッサンには必要なかったらしい。
だから社交的な態度は捨てて、ヤブ睨みをかましてみた。
へいへへ~い!!とまだ踊っている。
私のお人よしの眼殺ではヤツのKYパワーを突破できなかったらしい。
・・・・・うるせーよ、オッサン。
取り敢えず目の前でサンバ(みたいなもの)を踊る、ポジティブ大魔神と看板を胸にぶら下げたこの格好悪いオッサンを退治したい。
私は拳を握り締める。
凹むのはこちらの自由だと思うのだけど、それすら駄目ってことかい?むむむ・・・そんなのムカつくぜ。
「勝負だ」
「勝負!?おっけーえええええい!受けて立とう!これで君もハッピー♪」
イラっときた。