彼女の愛すべきドビュッシー
「なるほどね。」

「雨の庭。

 いいよね。」

「うん。

 雨だったんだね。

 なんか水の音だとは思ったんだ。」

「そうなの。

 ドビュッシーの音って、

 あれ、

 なんかこの音聴いたことある、

 見たことある、

 みたいな音なんだよね。」

「雨だと分かったからさ、

 もう一回弾いて。」

「うん。

 ただ、

 これ、まだ未完成なの。」

「そおなの?」

「ドレミファレベルには、

 わからないだろうけど、

 先生には超絶怒られるわ!!」

そういうと彼女はピアノに向かった。
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