彼女の愛すべきドビュッシー
「左手がメロディー弾くとこがあるの。

 そこがね、

 めちゃくちゃ気持ちいい。

 はー。

 まじいい。

 本には雨の日で憂鬱な時にかいた、

 なんていうけど、

 違うと思う。

 だいたいね、

 ドビュッシーは自分の事、

 あんまり語らない人だったらしい。

 性格は、

 内向的かつ非社交的。

 そんな人の気持ち、

 いくら解釈しようとしたって、

 無駄だと思わない?

 もしよ、

 あたしが曲を作ったとする。

 そこに感情を込める。

 それをさ、

 こういう思いで書きました。

 なんて、

 正直に語ろうなんて、

 絶対思わないよ。」
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