彼女の愛すべきドビュッシー
「進学校はどうよ。

 勉強頑張ってる?」

「うん。

 まあ。商業って何するの?」

「普通の教科もあるよ。

 あとは、

 簿記とか、

 表計算とか。」

「なんで商業にしたの?」

「うちの学科はほとんど

 パソコンメインだからさ。

 なんか、ゲームみたいなもんかなって。

 普通の授業よりはいいよ。」

「へー。」

「それに就職したいし。」

「なんで?」

「勉強したくないから。」

「どんだけ嫌いなのよ。」

「そっちはなんで進学校?」

「あー。

 先生になりたくて。」

「なんで先生?」

「すごく好きな先生がいて、

 その先生みたいになりたくて。」

「へー、

 いい先生だったんだね。」

それから彼女と暗くなるまで

色々な話をした。
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