彼女の愛すべきドビュッシー
次の日、

学校で僕のことが噂になっていた。

「誰だよ、

 商業の女子って。」

「いや、

 一緒にピアノ習ってる子だよ。」

「なんか仲良さげだったらしいじゃん。」

「いや、

 普通でしょ。」

友達たちが、

代わる代わるに聞いてきた。

「いーなー。

 俺も彼女ほしい。」

「彼女じゃないし。」

その日の帰りだった。

担任に一言

言われた。

「勉強に集中しろ。」

なんだか、

ものすごく嫌だった。

僕が何かした?

僕はただ、

彼女を励ましたかっただけなのに。

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