彼女の愛すべきドビュッシー
「全然いいんだ。

 なんか意味があるんだろな、

 って思ってたから。」


「あたしね、

 修君と会えなくて、

 会いたかったよ、

 会いたいのに、

 会えなくて、

 辛くて、

 話もできないなんて

 さみしくて、

 それを

 ピアノに乗せると、

 本当に涙が出てきて、

 こんなに

 さみしかったんだって、

 弾きながら思って・・・」

彼女の目から涙が落ちるから、

僕は何も言えなくなって、

というか、

何も言えなくて、

彼女を抱きしめた。
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