初恋




彼はレジの所に行き、お金を払うと店を出た



帰っちゃった・・・・



「あ、もう上がっていいわよ」



店長は私に言った



「はい」



私は着替えて店を出て折り畳み傘を出すと、横に彼がいることに気づいた



彼は雨をため息しながら見ていた



傘・・・持ってないのかな?



私は勇気を振り絞って話しかけた



「傘・・ないんですか?」



「・・・うん、どうしようかな」



「これ、どうぞ」



私は自分の傘を差しだした




「え、いいよ、君が濡れる」



そんな普通の言葉にさえも私はドキドキが止まらなかった



「いいんです、使ってください」



私は傘を無理やり渡して、走って帰った



本当・・・何してんの・・・私



< 5 / 120 >

この作品をシェア

pagetop