結局、君なんだ

「じゃあ、あんたにはいるの?本当に…好きな人」


「・・・いるよ。ずっと好きな奴が」



そう言われた瞬間、鉛を落とされたような気がした。



長年一緒にいたから知らないことなんてないって思ってたけど…好きな人いるんだ。





「そっか。あんたに好かれている子は幸せだね…」



そうこぼした時、グッと顔をあげられた。



えっ・・・



そこにあったのは、見たことのない表情。




「なんでわかんねーのかな…」


「…んっ」


そう囁かれると同時に唇を押しつけられた。




--私は知らない。


あんな表情も、こんな熱も…




「いつも俺のとこ来るくせに…いい加減気付けよ。

俺が好きなのは…お前だ」



そう言われた瞬間、泣きそうになった。

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