それでも君が好き


靴を履いて昇降口に出ると
私たちの入学を祝うかのように
雨はすっかりやんで、虹が出ていた。



「ゆきーー」

「やっと雨上がったね。」


ハイテンションで
汐花と七夕里が話しかけてきた。



「そうだね。」

「今のうちに早く帰ろっ!」


私は2人の手を引いて、まだ記念写真を
撮ったりで人だかりができている
昇降口をかけぬけた。



「はぁはぁはぁっ」

「やっとぬけられた。」


七夕里が息を整えながら言った。



「七夕は人ごみが苦手だからね。」



「本当にー、あの人たちはいつまで学校にいるつもりよ。」


七夕里は人が集まるところが苦手みたい。
だから遊園地は一度も行ったことがないんだって。



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